一般・アルペン班2年 小菅 耕大

下級生でありながら一般・アルペン班のトレーニングチーフになって半年が過ぎた。前例があるのかは知らないが下級生としてレーニングチーフをすることにそこまで不安はなかった。その理由には高校時代の経験がある。高校2年生の時にはキャプテンとしてスキー部でメニューを考え、中高スキー部の部員を引っ張ってきた。進路が決まって部活に戻ってきた一つ上の先輩たちを指導、先導することも特に迷いもなくすることができた。その時とは少し違い、周りはほとんど上級生であるがトレーニングチーフとして活動するのに大差はないと考えた。ここではその考えで下級生として指導する立場になって半年たって部活で感じたこと、またこれからを述べていこうと思う。

まず、初めに高校生の時も教える立場にあったなどと言っていたが、人に物事を教えるのがはっきり言って得意ではない。勉強でも運動においても普段することを論理的ではなく感覚で実際やって覚えるということをしてきたので、人に教える時になぜその人ができないのか、理解できないのかが全く分からない。さらには、何とかひねり出して考えた説明もあまり通じていないことが多々ある。もっと論理的に考えて説明をしようとすると思考停止してしまう。

これは指導する立場としてかなり問題である。しかし、今まで教えてきて感じたが、人それぞれでうまくいく感覚が違う。これを踏まえて自分が感じている一つの感覚の提供と考えるようになった。また、自分がうまく説明できなかったら他の人に頼ってやってもらうこともある。指導する立場としては全くできてはいないがそのほかの方法で何とか改善できていると感じている。

次にトレーニングにおける先輩部員の動かし方として最初に決めたことが一つあるので述べたいと思う。最初に決めたのは、ある程度自由にやらせるということである。

ではなぜ私がこれを決めたのかというと、そもそも自分が他人に干渉してあれをやれ、これをやれと言うのをあまり好まない。またもう一つの理由として上級生ならばそれぐらいできてもらわないと困る、下級生のお手本になるべきであるという考えがあるからである。もちろん相談を受けたらしっかりと答えはするが、上級生は今までの部活での経験で、何をすれば良いのかわかるはずである。例えばタイムレースでなかなかタイムが伸びなかったり、意識している相手に勝てなかったりするときに単に練習量が足りないのかそれとも練習の質が悪いのか走り方が悪いのかなど、自分で原因を探り解決できる力が多少なりともあるはずである。

また指示されたときにテキパキと動けと言ったり、部活中の声掛けの指摘をしたりなどはあまり自分からはしていない。トレーニングに集中してあまり自分からできていなかったり、他の人が言ってくれるのでグチグチと言われるのは嫌と思ったりして、していないが一番の大きな理由はやはり上級生ならそのくらいできてもらわないと困るからである。

また自由にさせる上でトレーニングチーフとして考えたことがある。それは普段の部活は練習機会の提供だということである。メニューを組んで、部員にやらせてはいるがその中でどのようなことを意識して練習をするかによってだいぶ変わってくる。その練習の中で自分たちが何を強化したいのかは人それぞれで違う。月曜日の部活でやっているバスケットボールにおいても、ずっと動き続けて心拍数を上げた状態を保つのかダッシュをしたり止まったりを繰り返して変動する心拍数に慣れるようにするのか。こと細かく指定してもいいがそれでは個人の弱点強化にならないと考えた。これらが今までに強く感じたり考えたりしたことである。

さて、これまでいろいろと書いてきたが裏を返せば来年以降上級生になった自分がやらなければならないことである。また来年度、後輩を指導する立場として今年やった自由にトレーニングをさせるということがうまくいったのかによって自分の部活へのかかわり方が大きく変わる可能性もある。まずは今年決めたことをやり通してインカレに向かっていき、来年度以降のことは全体を踏まえて考えたいと思う