ノルディック班4年 石毛 美桜
今思い返すと、いつでも負けたくないという想いが原動力であることが多かった。
中高は6年間茶道部で体育会を経験しておらず、スキーも数えるほどしか経験したことがなかった。そんな私でも全国大会に出場し、ハイレベルな選手と同じ舞台で戦うことができると知り、スキー部に入部した。
スキー部に入れば自分よりも運動神経が良くタフな同期がいて、彼女に負けたくないという思いで辛い陸トレにも前向きに向き合うことができた。1年秋のタイムレースで1位を取った時には、初めてスポーツで結果を出す喜びを知った。
しかし、2年の冬に左足の脛骨を疲労骨折し、大きな挫折を味わった。1ヶ月間の安静を強いられ、その1ヶ月をどう過ごすかで今後のスキー部人生が変わってしまうという焦りを感じた。怪我を最スタートの契機と捉え、整骨院に通い、足の正しいケア方法や骨格の知識を基礎から学び、スキーで結果を出すにはただ走るだけではダメで、栄養・休息・身体ケア・道具の状態管理など様々な要素を満たす必要があると意識するようになった。この学びを得られた点では怪我に意味があったと言えるが、一方で私は保守的な考え方になってしまった。怪我をしない為には、メニューに落ちずに着いていくには、同期に負けない為には…というように、弱気になっていた。
そんな私に負ける悔しさを思い出させたのが、夏合宿だ。中距離ペース走では後輩の背中を押してサポートする余裕があったが、15kmタイムレースは、過去に疲労骨折をした左足に痛みを感じ途中で棄権した。これが冬のレースだったらどうなっていたか。インカレにやり直しはきかない。インカレ当日に全ての力を発揮して結果を残すことが出来なければ、これまでの努力は無駄になると言っても過言ではない。私が結果を出せなかった一方で、同期の後埜上は夏合宿の全メニューをこなし、タイムレースも良いペースで完走していた。完敗だった。
そこから再び私の闘志に火が着き、自然と今まで以上に集中して陸上トレーニングに取り組むようになった。自主練の時間を増やした分、整骨院に通う回数を週2回に増やし身体ケアも欠かさず行った。更に調子を上げて努力を継続すれば、11月のスキー部人生最後のタイムレースでの自己ベスト更新が達成可能な状態にまで引き上げられている。この闘志をインカレまで燃やし続け、悲願である女子1部昇格・男子2部昇格を果たす。それが私の原動力であり、スキー部に入った理由だ。