スキーと他スポーツの親和性
ノルディック班2年 倉持 奈未
現在、現役の学習院大学輔仁会スキー部は、すべての学年が、1年間の成果として冬のインカレでいい成績を残せるよう、各々が目標を持ち、チーム一丸となって励んでいる。
昨年度より、男子は3部から2部へと昇格し、2部の中で戦う中で、今まで戦ってきた選手たちよりも強い選手たちが多くいるのだと実感させられた。そして、今まではポイントを取れていた種目でも、ポイントを取ることが困難であり、それだけ周りの選手がとても強いのだと感じられる。
インカレにはもちろん、スポーツ推薦で入学してきた選手もたくさんいて、学習院は、そのような選手たちと同じ土俵に立って戦っている。学習院大学スキー部は、もちろんスポーツ推薦はないからこそ、さまざまな人が集まる。大学でスキーを始めて経験した人もいれば、今まで本格的にスキーをやってきた人も、遊びでのスキーを経験してきた人もいる。
今まで、スポーツ推薦のあるさまざまな強豪校と戦ってきたが、学習院には、スポーツ推薦がないからこその強さがあるように感じた。さまざまな経験を積んできた方がスキー部に入るからだ。
そこで、この特集記事では、「スポーツ経験」という点に観点を置いて、大学入学前までに積んできたスポーツ経験が、スキーにおいてどのように作用していくのか、スキーと他スポーツの親和性について、考えていく。
私自身、中学、高校生時代はバスケットボール部として部活に励んでいたため、その経験が少し今のスキー部にイアされているな、と感じた部分があった。そのような面がOB・OGの皆様にもあったのではないか、と思い、アンケートを実施させていただいた。
アンケートの限界について
この度は、55名のたくさんの方にアンケートにご協力いただきました。誠にありがとうございました。
アンケートを実施するにあたり、卒業年度、お名前を匿名でお答えできるようにしたため、卒業年度の正確な分布が測れておりません。なぜなら、よりたくさんの方にご協力いただけることを優先したためです。そのため、当時の流行などが結果に影響を及ぼしている可能性があることに留意しながらお読みいただけると幸いです。
結果としては、冒頭にまとめた通りだ。
アンケートにご協力くださった55名のうち、スキーを経験したことのない人は3人であった。しかし、スキーを経験したことのない人は全員他の何かしらのスポーツをやっていた。スキー以外のスポーツ経験があるのは47名、そのうちの41名はそのスポーツ経験は活かされたと回答していた。41名のうち、体力的なアドバンテージを感じていた人は21名、精神的なアドバンテージを感じていた人は20名、とほぼ半分の人が感じていたみたいだ。
もっと詳しく見てみると、傾向的に、体力面でアドバンテージを感じている人はノルディック班の人が多く、筋力面でアドバンテージを感じている人はアルペン班、精神的なアドバンテージを迎えている人は全体的にいた。例えば、陸上やサッカー、バスケットボールのような持久力や瞬発力が求められるスポーツでは、身体的な基礎能力が鍛えられており、それがスキーでのパフォーマンス向上にもつながることが多かった。しかし、その反面、過大評価によるプレッシャーを感じたことがある方は一人いらっしゃった。
他にも、スキー部で、他スポーツでの経験が活かされたこととして、「色々なスポーツをやる事で沢山のスポーツを楽しめた。色々なスポーツを見る機会にもなった」、「柔軟性やバランス力、小回りや団体戦でのリズム感が役に立った(ダンス経験者の方より)」、「上下関係やチームインゲージでのマネージメント面」、「朝練が辛くなかった」などのご意見もあった。
このアンケートを経て
今年の夏合宿のタイムレースの後、とあるOGの方が、「『強い自分』を想像してモチベーションを維持していた」とおっしゃっていて、私もその時、「強い自分」に憧れを抱かざるを得ないと思いました。
皆様も、スポーツをやる上では、「弱い自分」よりも、「強い自分」の方が好きだと思います。スポーツを楽しむには強くならないと楽しくないし、自分が強くなるためには今の限界を越える必要があって、そのためにある程度の苦しい思いをしないと強くなれない、という矛盾を抱えています。どうしても自分の努力が結果に直結せず、現役時代にとても苦しい思いをした方はたくさんいらっしゃったことと思います。私もよく、どうしても「このスポーツ辞めたい」と思ってしまいます。このような矛盾を抱えながらも、なぜかどうしても続けてしまう、いつまでも見つけられない宝箱のような魅力がスポーツにはある、と私は感じています。練習過程の苦しみの中で、自分が今までできなかったことをできるようになった時の達成感を感じた時や、先輩に褒められた時、タイムが縮んだ時、どうしても「やっぱりもうちょっと頑張ってみようかな」と思ってしまいます。それは、どのスポーツにも共通だと感じました。このようにして苦しいトレーニングにも耐えていこうとする精神力は、どのスポーツで鍛えられたにしろ、私たちスキー部でも発揮できるものなのではないかと思います。
また、アンケートの中に、他スポーツを経験しているからこそ苦労したことはあるか、という欄に、「団体競技と個人競技の差」と答えられた方がいらっしゃいました。確かに、スキーのような個人の技術や集中力が問われるスポーツと、チームプレイが求められるスポーツでは、取り組み方や練習の形は異なるかもしれません。
しかし、限界を超えるために厳しいトレーニングを積む過程や、目標に向かって仲間とともに切磋琢磨する姿勢は、どのスポーツにおいても共通して存在しています。特に、結果がすぐに出ない、あるいは努力が報われにくい場面も多いスキーのようなスポーツにおいては、その苦しさを越えた先にあるわずかな進歩が、自分にとって大きな喜びとなることを日々私は感じております。
このアンケートを通して、各スポーツにはそれぞれの特性がありますが、その中で「自分を高めたい」「少しでも成長したい」という気持ちは共通していて、スキーにも他のスポーツにも同じように流れているように感じました。スポーツの種類は違ってもその中で身につけた精神力、体力、筋力は確かにあって、それはどのスポーツでも発揮することができます。それはひとえに皆様がより「強い自分」に近づこうと努力した結果であり、他スポーツでこのような思いが生んだ力が、スキー部でも発揮されている、と思うと、とても嬉しくなります。そして、これがスポーツの本質的な魅力ではないかと感じました。
スキー部としてこの結果を見つめ直し、これからも「強い自分」を目指して日々の練習に励んでいくつもりです。そして、他のスポーツからも得られる多くの学びを大切にし、スキーに対する理解を深めていければと思います。