過去の部則を振り返る
マネージャー班2年 後関 桜子
ご多忙の中で貴重なお話を聞かせてくださった 、加茂義哉先輩(S57年 ノルディック班)、松岡謙二先輩(H1年 アルペン班)、古賀貴子先輩(H27 マネージャー班)に心より御礼申し上げます。今年度、私たちスキー部は 26 名の大所帯となりました。人数が大きく増えたからこそ、組織をどうまとめ、何を大切にして活動していくべきなのか。今一度原点に立ち返るため、過去の部則や当時の部の雰囲気についてお話を伺いました。
対談の中でまず印象的だったのは、「部則はあったが、文書として細かく管理されていたわけではない」という点でした。1970〜80 年代、部員数は 50〜70 名と多く、年間100 日近い合宿、月〜土のトレーニング、強化月間の朝昼夜練習など、部員同士が家族以上に長い時間をともにする生活でした。だからこそ、“部則”が紙で管理されるのではなく、「上級生が下級生に直接伝える」「人として当たり前のことを守る」という空気で成り立っていたと言います。
遅刻や粗相があった際にも、現在のように「何分遅刻=何本走る」という明文化はなく、その場にいる最上級生が判断する仕組みでした。当時は ちょっとした失敗に対して、厳しいご指導があったそうです。ただ OB の方々は口を揃えて、「その瞬間は理不尽だと感じたが、今思えば人として鍛えられ、仲間との絆を深める時間だった」と笑いながら振り返っていました。
一方で、現在の私たちのスキー部には、遅刻や提出物忘れなどを細かく記録し、スプレッドシートで管理する“罰則規定”があります。これは明文化されていることで、全員が基準を共有しやすいという利点があります。しかし、OB の皆さまは「書いてあるから守るのではなく、何のために守るのかを腹落ちさせることが本質」と指摘されました。当時はルールが曖昧でも成り立っていたのは、全員がスキー部の目標である、インカレで勝つこと、上位昇格することを“365 日”意識していたからだと言います。
また今回、部員数が急増した私たちの代の悩みとして「人数が多い組織をどうまとめるか」「上級生も過去に経験がなく対応が難しい」という現状を率直にお伝えしたところ、OB からは組織マネジメントとしての助言も多くいただきました。
「上級生は目標とプロセスを明確に言語化し、下級生に伝える役割を持つこと」
「練習の一つひとつが“何のためにあるのか”を理解させること」
「やらされる練習では成長は遅い。自分で目的を考えられる選手を育てること」
これらの言葉は、時代が変わっても変わらない本質として胸に響きました。
さらに OB の方々は、「厳しさ」と同時に「温かさ」があった当時の関係性も語ってくださいました。理不尽さに悩んで練習をボイコットした下級生を、上級生が夜通し話を聞き、翌日また練習に戻ってこられるよう支えた――そんなエピソードが数えきれないほどあったそうです。上下関係の中にあった“人としてのつながり”が、今でも続くOB、OG の方同士の深い関係の基盤になっていると話されていたのが印象的でした。
最後に、現役へ向けていただいたメッセージとして、「価値観が多様な時代でも、目標を共有し、そのために自分が何をすべきか考える姿勢を大切にしてほしい」「上下のつながりは強制ではなく、相手を理解し合う関係性として築いてほしい」という言葉がありました。
今回の特集を通して、部則の厳しさそのものよりも、そこに込められていた“目的意識”や“仲間との信頼関係”こそが強いスキー部をつくっていたのだと強く感じました。
人数が増えた今だからこそ、過去の知恵を学びながら、現代の私たちに合った形でより良い部を作っていきたいと思います。


