コラム 橋本

チームマネジメントに必要なこととは

スキー部のように、個人競技と団体組織の両面を持つチームにおいて、マネジメントには「目標の共有」「信頼関係の構築」「柔軟な判断」「一人ひとりを活かす仕組み」の四つが欠かせないと感じている。

まず重要なのは、全員が同じ方向を向いて努力できる環境づくりである。種目や学年、競技レベルが異なる中で、「なぜこの練習をするのか」「今年どんな姿を目指すのか」が共有されていなければ、練習の質や士気が下がる。上級生だけでなく、1 年生も自分の役割と目標を理解し、全体のゴールと結びつけることがチーム力の底上げにつながる。夏合宿では中ペ前日にチームビルディングを行い、各自が明確な目標を持って練習に臨むことで全体の意識が統一された。現在は陸トレの終盤を迎える中、インカレに向けた明確な目標を定めている。

次に、信頼関係の構築である。厳しい練習の中で「この仲間となら頑張れる」と思える空気は、自然には生まれない。日々の挨拶や何気ない会話を大切にし、後輩の不安や上級生の苦悩に耳を傾けることで理解が深まる。特に声かけの丁寧さはチームの風通しに直結する。私は練習前やインターバルの合間に積極的に声をかけ、部員が増えた今こそ、ふとした瞬間のコミュニケーションを意識している。

三つ目は、状況に応じた柔軟な判断力である。怪我や天候、モチベーションの低下など想定外のことは常に起こる。だからこそ、メニューをただ遂行するのではなく、今チームに最も必要な練習は何かを考え、最適化する姿勢が重要だ。今年は班別練習を増やし、各種目の特性に合わせたメニューを組むようにした。その意図をメニューシートに記し、練習前に説明することで、全員が目的を理解した上で取り組めるよう工夫している。

最後に、一人ひとりの力を引き出す視点が必要である。経験値や得意分野はさまざまだが、その違いを課題でなく強みとして捉え、部活への貢献方法を考えると良い。体力のある人は練習の牽引役に、コミュニケーションが得意な人は練習の盛り上げ役に回るなど、活躍の形は一つではない。目立たない支えにも価値を見出すことで、チーム全体のモチベーションは高まる。

チームマネジメントとは、指示を出すことではなく、仲間の状態を感じ取りながら目標に向かって組織を動かす「環境づくり」と「人との関わり方」の積み重ねである。スキーという個人競技であっても、チームで戦う以上、マネジメントの質が競技力に直結する。だからこそ、結果だけでなく、過程を共にする仲間との関係性を大切に築ける人が、強い組織をつくるのだと実感している。